期限のあるものから
終活・死後の手続きの整理
家族が亡くなった直後は、葬儀と並行して期限のある手続きが続きます。ここでは「いつまでに・どこへ」を公的機関の公式ページで確認した内容だけで整理し、元気なうちに備える成年後見制度と、お墓を移す「改葬」の仕組みもまとめました。
死後の手続きと期限の一覧
| 期限 | 手続き | どこへ | 要点 |
|---|---|---|---|
| 7 日以内 | 死亡届 | 死亡地・本籍地・届出人の所在地のいずれかの市区町村 | 死亡の事実を知った日から 7 日以内(国外で死亡した場合は 3 か月以内)。死亡診断書または死体検案書を添付。手数料は不要。届出義務者は同居の親族などで、届出人の所在地には一時滞在地も含まれます(法務省)。 |
| 10 日以内 (国民年金は 14 日以内) | 年金受給権者死亡届 | 年金事務所など(障害基礎年金・遺族基礎年金だけを受けていた方は市区町村) | 日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は原則不要。亡くなった月分までの未支給年金は、遺族が「未支給年金・未支払給付金請求書」で請求します。届出が遅れると、後で年金の返還を求められることがあります(日本年金機構)。 |
| 3 か月以内 | 相続放棄・限定承認 | 被相続人の最後の住所地の家庭裁判所 | 自分のために相続の開始があったことを知ったときから 3 か月以内に申述。申述人 1 人につき収入印紙 800 円分と連絡用の郵便切手が必要(裁判所)。借金が多いかもしれない場合は、この期限内に相談先を決めることが大切です。 |
| 10 か月以内 | 相続税の申告と納税 | 被相続人の住所地を所轄する税務署 | 被相続人が死亡したことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から 10 か月以内。例: 1 月 6 日に死亡した場合、申告期限は 11 月 6 日(国税庁 タックスアンサー No.4205)。申告が必要かどうかは遺産の総額と基礎控除で決まります。 |
このほか、健康保険・介護保険の資格喪失、公共料金や携帯電話の解約、不動産の相続登記(相続登記は義務化されています)などがあります。期限や窓口は手続きごとに異なるため、市区町村の「おくやみ窓口」や案内冊子があれば活用してください。
法的な相談先が分からないとき 法テラス
- 電話
- 0570-078374(平日 9 時〜21 時、土曜 9 時〜17 時)。相続・遺言・借金など、問題に応じた相談窓口や制度を案内します。
葬儀の料金トラブルを避ける
国民生活センターは 2026 年 6 月に「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」として、「家族葬だから安い」と思い込んだ契約への注意を呼びかけています。葬儀は短時間で契約を決めざるを得ないため、次の点を確認してから依頼すると、後からの行き違いを減らせます。
- 見積書に、プラン料金に含まれるもの(祭壇・棺・搬送・安置・火葬料など)と含まれないもの(飲食・返礼品・宗教者へのお礼・安置日数の追加など)が分けて書かれているか。
- 参列者数や安置日数が変わったときに、どの項目がいくら増えるか。
- 解約・変更の条件とキャンセル料。
- トラブルになったときの相談先は消費者ホットライン 188。
成年後見制度(元気なうちの備え)
| 種類 | だれが決めるか | こんなとき |
|---|---|---|
| 法定後見(後見・保佐・補助) | 家庭裁判所が、本人の判断能力の程度に応じて後見人・保佐人・補助人を選任 | すでに判断能力が不十分で、預貯金の管理や契約、施設入所の手続きが難しいとき |
| 任意後見 | 本人が元気なうちに、将来の後見人と委任する内容を公正証書の契約で決めておく | 将来に備えて、信頼できる人に財産管理や身上保護を頼んでおきたいとき |
- 申立ての手続・必要書類・費用は、全国の家庭裁判所が案内しています。申立てをする人がいない場合は、市町村長が申し立てる仕組みもあります(法務省 Q&A)。
- 最初の相談先は、市町村が整備する「中核機関」(成年後見センター・権利擁護支援センターなど名称は自治体ごと)や地域包括支援センターです。制度を使うべきか、後見人にだれがなるか、費用の助成があるかを相談できます(厚生労働省 第二期成年後見制度利用促進基本計画)。
- 後見人には親族のほか、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職や、市民後見人が選ばれることがあります。報酬の有無・額は家庭裁判所が決めます。
お墓を移す・閉じる(改葬の許可)
「墓じまい」で遺骨を別の墓地や納骨堂に移すことは、墓地、埋葬等に関する法律で「改葬」と定められ、市町村長の許可が必要です。
移す先を決める
新しい墓地・納骨堂の使用許可(受入れの証明)を受けます。
今の墓地の管理者に相談する
墓地使用者以外が申請する場合は使用者の承諾書が必要です。寺院墓地では離檀の手続きや費用について、事前に話し合います。
市町村に改葬許可を申請する
遺骨が現にある場所の市町村長に申請し、改葬許可証の交付を受けます。申請書には死亡者の本籍・住所・氏名、埋葬・火葬の場所と年月日、改葬の理由、改葬先などを記載します(墓地、埋葬等に関する法律施行規則)。
遺骨を取り出し、移す
新しい墓地・納骨堂の管理者は、改葬許可証を受け取ってから埋蔵・収蔵を行います。墓石の撤去・更地化の費用は石材店等との契約で決まります。
出典: 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」。申請書の様式や必要書類は市区町村ごとに異なります。
このページは手続きの概要を公的機関の公式ページで確認して整理したものです。相続・税務・法律の個別の判断は、家庭裁判所・税務署・法テラス・専門職にご相談ください。
出典(公式ページで確認した日付つき)
- 法務省「死亡届」(確認日 2026-10-19)
- 日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」(確認日 2026-10-19)
- 裁判所「相続の放棄の申述」(確認日 2026-10-19)
- 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」(確認日 2026-10-19)
- 法務省「成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A」(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省 社会・援護局「第二期成年後見制度利用促進基本計画(令和4年3月25日閣議決定)」(確認日 2026-10-19)
- 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」(確認日 2026-10-19)
- 国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル(2026年6月3日)」(確認日 2026-10-19)
- 日本司法支援センター(法テラス)「法テラス トップページ」(確認日 2026-10-19)
制度の数値や窓口は改定されることがあります。手続きの前に、出典のページとお住まいの市区町村の案内で最新の内容をご確認ください。