比べる前に、確かめる

事業者の選び方

暮らしと家族を支えるサービスの多くは民間事業者が担っています。分野ごとに「法律上の許可・資格は何か」「料金のどの項目を比べるか」「公的機関が注意を呼びかけているトラブル」を整理しました。ここに書いた確認項目は、各専門サイトの比較表の列にもなっています。

共通の原則: ①見積書は作業範囲と内訳が書かれたものを複数社から取る ②追加料金が発生する条件とキャンセル料を契約前に確かめる ③その場で契約を急がせる事業者は避ける ④トラブルになったら消費者ホットライン 188 に相談する(国民生活センターの注意喚起に共通するアドバイス)。

介護・医療・暮らしの手伝い

介護タクシー(福祉タクシー)

法律上の位置づけ: 一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)。国土交通大臣の許可が必要で、営業所を管轄する運輸支局が窓口。対象は身体障害者・要介護者など単独での移動が困難な人とその付添人(国土交通省)。

  • 車いすのまま乗れるか、ストレッチャー(寝たまま)に対応するか。
  • 料金の構成: 運賃(メーター制など)+介助料+機材のレンタル料。何が含まれるかを確認。
  • 介護保険の「通院等乗降介助」として使えるのは、訪問介護事業者の指定を受けた事業者がケアプランに基づいて行う場合に限られます。
  • 営業区域(都道府県単位)と予約の受付時間。

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福祉用具のレンタル・購入

介護保険の福祉用具貸与・特定福祉用具販売は、都道府県等の指定を受けた事業者だけが対象です。事業所には福祉用具専門相談員の配置が求められています(介護サービス情報公表システム)。

  • 介護保険の指定事業者か(保険外の自費レンタルと区別する)。
  • 同じ種目でも機種によって月額が違う。複数の機種を提案してもらえるか。
  • 納品時の調整、使い方の説明、故障時の交換、定期点検の有無。
  • 4 種目(固定用スロープ・歩行器・単点杖・多点杖)は貸与と購入を選べるため、利用見込み期間で比較する。

制度の整理: 福祉用具の貸与・購入 →

手すり設置・住宅改修

介護保険の住宅改修費は上限 20 万円(1〜3 割自己負担)。原則として工事前の申請が必要(厚生労働省)。

  • 介護保険の住宅改修の実績があり、理由書作成(ケアマネジャー等)との連携ができるか。
  • 見積書に材料費・工事費・諸経費が分かれているか。
  • 手すりの位置は本人の動作に合わせて決める。作業療法士など専門職の助言を受けられるか。
  • 賃貸住宅の場合は家主の承諾。

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訪問理美容

理容師・美容師は原則として理容所・美容所の中で業務を行い、疾病などで店舗に来られない人への出張が例外として認められています。厚生労働省の通知は、骨折・認知症・障害・寝たきりなどで社会通念上来店が困難な人や、乳幼児・重度要介護者を常時介護していて外出が難しい人を対象の例として示しています。自治体の条例で届出や対象が定められている場合があります。

  • 理容師・美容師の免許を持つ人が施術するか(免許証の提示を求められる)。
  • 料金に出張費が含まれるか、施設(複数人)と個人宅で料金が違うか。
  • カットのみか、シャンプー・カラー・パーマ・顔そりに対応するか。寝たままでの施術が可能か。

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高齢者向け配食サービス

厚生労働省は「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理に関するガイドライン」(2017 年 3 月)で、献立作成の基準、栄養素等調整食(エネルギー・たんぱく質・食塩の調整)、利用者のアセスメントなどを事業者向けに示しています。

  • 配達の頻度と時間帯、不在時の対応、安否確認(声かけ)の有無。
  • きざみ食・やわらか食・減塩食など、食事の形態と栄養調整の対応。
  • 1 食あたりの料金と、お試し・休止の条件。
  • 自治体の配食サービス(高齢者福祉の事業)が利用できる場合は、要件と自己負担を市区町村に確認。

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家事代行

経済産業省は 2014 年に「家事支援サービス事業者ガイドライン」を公表し、2016 年度から事業者の品質を評価する「家事代行サービス認証制度」が始まりました(経済産業省の調査報告書)。

  • 契約形態: 事業者が雇用するスタッフが来るのか、個人との直接契約(マッチング)なのか。損害賠償保険の有無。
  • 鍵の預かり方とトラブル時の対応ルールが契約書に書かれているか。
  • 料金: 1 時間あたりの単価、最低利用時間、交通費、延長料金。
  • 介護保険の訪問介護(生活援助)と、保険外の家事代行の違いを理解しておく。

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高齢者見守りサービス

法律上の許可制度は特にありません。センサー型・カメラ型・訪問型・電話型など方式が分かれ、民間事業者のほか自治体や郵便局などが提供するものがあります。

  • 異変に気づいた後、だれが・どこまで対応するか(家族への連絡だけか、駆けつけがあるか、警備会社と連携するか)。
  • 初期費用・月額・解約条件。機器の設置に工事が要るか、ネット回線が要るか。
  • 本人のプライバシーへの配慮(映像の有無)と、本人が納得しているか。

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訪問歯科

歯科訪問診療は健康保険の診療報酬で評価されており、在宅療養支援歯科診療所など、在宅歯科医療に取り組む医療機関の基準が定められています(厚生労働省 診療報酬改定の概要)。

  • 通院が困難な方が対象。歯科医院からの距離など訪問できる範囲を確認。
  • 治療の内容(義歯の調整、虫歯治療、口腔ケア、摂食嚥下の相談)とそれぞれの費用の目安。
  • ケアマネジャー・主治医との連携の有無。

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介護施設紹介センター

有料老人ホームの設置運営標準指導指針では、紹介事業者に高額な手数料と引き換えに優先的な紹介を求めないこととされ、紹介事業者の選定では、業界団体(高齢者住まい事業者団体連合会)の届出公表制度に届出を行い、行動指針を守っている事業者が望ましいとされています。令和 7 年 11 月の厚生労働省の検討会とりまとめでは、紹介事業者の中立性を確保する仕組みが課題とされています。

  • 紹介センターの収入源(施設からの紹介手数料)と、紹介先が特定の施設に偏っていないか。
  • 利用者の希望(費用・医療的ケア・立地)に合わない施設を勧めていないか。複数の候補を示すか。
  • 届出公表制度への届出の有無。
  • 紹介センターを通さずに、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する道もある。

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終活・相続・住まいの整理

遺品整理・生前整理

家庭から出る廃棄物の収集・運搬には、廃棄物処理法に基づく市区町村の「一般廃棄物収集運搬業の許可」または市区町村からの委託が必要です。無許可の回収業者とのトラブルを国民生活センターが注意喚起しています(2022 年 11 月)。買取を行う場合は古物商許可が必要です。

  • 廃棄物の処分を、許可を持つ事業者が行うか(自社の許可か、許可業者への委託か)を確認する。
  • 国民生活センターの相談事例(2018 年 7 月): 見積もり時に契約を急かされた、作業当日に追加料金で見積額の約 2 倍を請求された、残すよう頼んだ品が処分された、解約時に高額なキャンセル料を請求された。
  • 見積書で作業範囲と費用の内訳を細かく確認し、残す品と処分する品を事前に分けておく。
  • 貴重品の捜索、供養、買取、清掃など付随サービスの料金。

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家族葬ホール・葬儀社

国民生活センターは「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」(2026 年 6 月)で、「家族葬だから安い」と思い込んだ契約への注意を呼びかけています。

  • プランに含まれる項目と含まれない項目(安置日数の追加、飲食、返礼品、宗教者へのお礼、火葬料)を見積書で分ける。
  • 会場の規模と参列者数の上限、安置室・控室の有無、駐車場。
  • 解約・変更の条件。

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墓じまい(改葬)の相談先

改葬には遺骨が現にある場所の市町村長の許可(改葬許可証)が必要です(墓地、埋葬等に関する法律)。

  • 石材店: 墓石の撤去・更地化の費用と、墓地管理者が指定する業者があるか。
  • 寺院墓地では、離檀の手続きと費用を事前に話し合う。
  • 移す先(永代供養墓・納骨堂・樹木葬など)の費用と、将来の管理費。
  • 行政書士など専門職に手続きを依頼する場合の報酬。

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成年後見の相談先

法定後見は家庭裁判所が後見人等を選任します。市町村が整備する中核機関が最初の相談先です(法務省・厚生労働省)。

  • 相談先の種類: 中核機関・社会福祉協議会(市民後見・日常生活自立支援事業)、弁護士・司法書士・社会福祉士などの専門職団体。
  • 専門職に申立て書類の作成を依頼する場合の報酬と、後見人報酬の目安(家庭裁判所が決める)。
  • 任意後見契約は公正証書で結ぶ。公証役場の手数料。

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空き家管理

空家等対策の推進に関する特別措置法(2023 年改正)では、放置すれば特定空家等になるおそれのある「管理不全空家等」も市町村の指導・勧告の対象になり、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例が外れます(国土交通省)。

  • 巡回の頻度と作業内容(換気・通水・郵便物の確認・庭木・簡易清掃)、報告書(写真)の有無。
  • 月額と、台風後の臨時点検などの追加料金。
  • 不動産会社・警備会社・シルバー人材センターなど、提供者の種類と保険の有無。
  • 将来の売却・賃貸・解体の相談ができるか。

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ここに書いた比較ポイントは、公的機関の公表資料をもとに本サイトが整理したもので、特定の事業者を推奨するものではありません。料金の相場は提示していません(各専門サイトで、事業者の公式サイトに記載があった料金だけを確認日つきで掲載しています)。

出典(公式ページで確認した日付つき)

  1. 国土交通省「自動車: 福祉タクシー」(確認日 2026-10-19)
  2. 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「どんなサービスがあるの? 福祉用具貸与」(確認日 2026-10-19)
  3. 厚生労働省 老健局「福祉用具・住宅改修(社会保障審議会 介護給付費分科会 第220回 資料7)」(確認日 2026-10-19)
  4. 厚生労働省「理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号に基づく出張理容・出張美容の対象について(平成28年3月24日通知)」(確認日 2026-10-19)
  5. 厚生労働省「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理」(確認日 2026-10-19)
  6. 経済産業省「家事支援サービス業の実態把握・活用推進に係る調査 報告書(令和7年2月)」(確認日 2026-10-19)
  7. 厚生労働省 保険局「令和6年度診療報酬改定の概要【歯科】」(確認日 2026-10-19)
  8. 厚生労働省「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会 とりまとめ(令和7年11月5日)」(確認日 2026-10-19)
  9. 国民生活センター「こんなはずじゃなかった! 遺品整理サービスでの契約トラブル(2018年7月19日)」(確認日 2026-10-19)
  10. 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル(2022年11月2日)」(確認日 2026-10-19)
  11. 国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル(2026年6月3日)」(確認日 2026-10-19)
  12. 厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」(確認日 2026-10-19)
  13. 法務省「成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A」(確認日 2026-10-19)
  14. 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(概要)」(確認日 2026-10-19)
  15. 消費者庁「消費者ホットライン」(確認日 2026-10-19)

制度の数値や窓口は改定されることがあります。手続きの前に、出典のページとお住まいの市区町村の案内で最新の内容をご確認ください。